top of page
理事長あいさつ
理事長からのメッセージ(設立趣旨より)

  平成26年度内閣府発行の高齢社会白書の高齢者の健康(19頁3-1)に「高齢者の半数近くが何らかの自覚症状を訴えているが、日常生活に影響がある人は5分の1程度」とあります。平成22年の厚生労働省の「入院者を除く健康意識調査」で「良い」「まあ良い」「ふつう」とする人が60~64歳では69.4%、85歳以上では46.8%の人が「良い」「まあ良い」「ふつう」としています。平成25年の同じ調査では60歳代が84.2%、80歳以上では62.2%とさらに増えており、(入院者を除く)5人のうちの4人の高齢者は元気(または普通)に暮らしているという現状があります。

経済状況でも「暮らし向きに心配ないと感じる高齢者は約7割。80歳以上では8割」となっている(同15頁2-1)。その一方で要介護者等数は平成13年が約287万人、平成24年は約546万人と、この10年余りで約二倍に増加しており、老々介護の問題も深刻になるなど、介護予防への取り組みが重要視されています。

 

「要介護の方々をどう支えるか」に関しては現在、数多くの団体が取り組んでおられますが、私たちは、この5人のうちの4人側の方々に焦点を当て、「この先も要介護になりたくない高齢者の心意気」を尊重し、「最後まで生きがいを持って過ごせる環境づくり」を応援することで、介護予防の一端を担えると確信しています。

健康増進の軸として、コミュニケーション文化の最も古い形の一つである「ペアダンス」を導入することが有用だと考えております。

殆どすべての「ペアダンス」は、他者とふれあいながらの共同作業であり、「1人では完結できない作業」です。よって、「ペアダンス」に取り組むことは、お互いを思いやる心、お互いの存在を尊重し合う心を育みます。また一方、人体的な反応として、リズム運動や、肌と肌が優しくふれあうことで、セレトニンやオキシトシンといった幸せを感じるホルモンの分泌を促します。幸せを感じることの身体的効果は計り知れません。

私たちの提唱する「健康ペアダンス」は、高い身体能力や経験が求められるものではなく、だれもが楽しめ、健康増進に寄与するよう効果的にアレンジされたものです。これまでの活動において、心身症や対面恐怖症、鬱や不眠などの症状が軽減したり、相手の体調の変化を察知するなど、様々な好影響が報告されています。

  サロンや老人会などで、新しい挑戦や楽しみを見出した人は他者を活気づけます。このような高齢者たちが今度は主体者となって、相手を思いやる温かい心や互いの存在の尊さといった、人として大切なことを手から手へ、孫や子供たちに楽しみながら伝えてゆく。そのようなイベント等を企画・運営します。これは高齢者たちの生きがいの発見にも繋がります。

子供たちは地域の中で、世代を超えた生のコミュニケーションを肌と肌をふれあいながら、技を競うのではなく、思いやりの心を発揮し合うことを学びます。

これは<生きる力>を学ぶ場となります。

 

デジタル化が進み、人と人とのコミュニケーションの場が激減する中で、痛ましい事件や問題は後を絶ちませんが、世代を超えたコミュニケーションを肌で学んだ子供たちはやがて、このような社会問題を抑止する発想をもった新しい潮流を生み出すことができると確信しています。

 

高齢者が健康でいきいきと活動する姿を孫や子の世代にフィードバックすることが、そのまま社会貢献に繋がっているという自覚を、多くの人がもてるようになることは健全な社会にとって大きな喜びです。このような正のスパイラルづくりの一環として「健康ペアダンス」を多世代に亘り普及させることは、老々介護でやむなく退職したり、介護する側の時間や職種の制限によって婚期を逃すことによる少子化対策にも、時間は要しますが有効だと考えます。    

 

介護予防に繋がる様々な活動は、できるだけ若いうちから開始する必要があります。その啓発や環境作りのため、「健康ペアダンス」に限らず色々なペアダンスや文化的交流の場を設け、多様なコミュニケーションの機会を提供し、思いやりや相互理解等、好循環醸成の一端を担っていこうと思います。

​今井義子プロフィール

 今 井  義 子(いまいよしこ)

・NPO法人日本健康ペアダンス協会理事長

・外房ルエダインストラクター

・介護予防指導員

・介護予防健康アドバイザー

・きもの着付け講師

・シンガーソングライター 芸名ロビーナ

・大網白里市子ども会「外房キッズ」会長

 

1972年生まれ。東京都品川区出身。現在、千葉県大網白里市在住。

高校2年で定時制に編入学し、25歳まで家業である電気計装工事の仕事(スフィアタワー天王洲の制御計装工事など)を父親と営む、当時は現場に女性がいなかった時代、現場に出た女性の先駆者であった。現場仕事の傍ら、祖母の介護を数年経験。花柳流日本舞踊、菊の会新舞踏など日本文化を学び、表千家茶道の免状を複数取得。

 

日本古来の伝統を大切にしながら、社交ダンスやジャズダンス、ラテンダンスなど様々なダンスを国内で学ぶ。キューバではナルシソメディナ(Narciso Medina)や、ラサーロ・ノリエガ(Lázarooriega)のダンスカンパニーにて、ソンやルンバ、サルサを学ぶ。それらの経験から、ペアダンスの持つ優れたポテンシャルを確信。健康維持やコミュニケーションツールとして世に活かそうと、7年勤務した大網白里市内の金融機関を退職し2015年8月、NPO法人日本健康ペアダンス協会を設立。高齢者がいきいきとし、高齢化社会を笑い飛ばせる街づくりをモットーに様々な活動に取り組んでいる。独自のワークを用いて行う健康指導は介護予防分野からも注目。医療機関と協働で定期的に健康データを測る「体を知ろう会」は、

健康状態や弱いところの対処法がよくわかると人気。ペアダンスでは、テクニック中心の一方的な指導ではなく、「こころ」を大切にした女性目線のきめ細かいサポートで、会員の「優しい気持ち」を引き出し、日本舞踊からくる柔らかい和のエッセンスで「ケンペア」という新しいペアダンスのスタイルを確立している。現在は、シンガーソングライターの活動をはじめ、古き良き邦楽をペアダンス用にアレンジした作品『外房アミーゴス・1』を2015年3月発表。個性的で明るく元気な歌声は、多くの方から「元気をもらえる」と好評を頂いている。

2018年 オリンピックに向けた地域振興事業として、大網白里市内の有志らと【ゴリンルエダプロジェクト】を発足。介護予防と生きる力教育を両立させた『外房ルエダ(異世代交流ダンスの輪)』を、外房の旗印として発信するべく、森田県知事を含む各自治体に提案。

現在、大網白里市を中心に、高齢者の介護予防や、子ども達の異世代交流に努めつつ、高学生から小学2年生のまで、四児の母として子育て奮闘中!

bottom of page